7月によく聴いた音楽です。今月は楽しみにしていたリリースがたくさんありました……!
Charles「I Know You Love Me, But Do You Think Of Me, Romantically」
Charlotte Ercoli Coeのソロプロジェクト名義Charlesでリリースされた曲。切なくてロマンチックで、ベッドで聴くと曖昧になって、古い映画の登場人物みたいなイメージが浮かびます。
田島ハルコ&バイレファンキかけ子「FAAAAAAAASTEST」
このEP本当にずっと聴いてしまいます。ガバな音、パワーワードが連続する歌詞が音MAD的な中毒性がある。田島ハルコさん、電音部のremixが楽しみすぎる……!
おにぱんず!「おにパパパン!パン!」
先月・先々月からずっとよく聴いてたんですけどやっぱりちゃんとこの曲すごいと言いたいと思い……。この、ちゃんと楽しい感情はこちらが笑顔になるくらい乗ってるしすごくうまいけどなんとも言えない棒読みっぽさが癖になる歌唱、さくら学院っぽいと思ったら元メンバーでした。鬼のイメージに通じる和楽器をはじめ、色々な音が左右で鳴っているのになぜかまとまっていてすごい。
おにぱんず!「鬼ヤバッ!」
「おにパパパン!パン!」よりよくわからない音や声ネタがたくさん鳴っているの異常ですごい。落ちサビ前の「SNSからHello New World」からの展開がすごくて泣きそうになっちゃう。この鬼ヤバな曲を、やはり3人の歌声が明るくフレッシュなイメージに牽引していっていると思う。
C.FIRST「Trust me now」
今月楽しみにしていたリリースのひとつ、アイドルマスターSideMのユニット曲+メンバーソロ曲が収録される「49 ELEMENTS」です。サビに向かって開放的になる王道展開ながら全体の印象は内向きで好き。3人の声全員別ベクトルで特徴的で好きなのですが、サビのユニゾンだと大塚剛央さんの声が際立って聴こえる気がして惹かれます。2番のサビから間奏を挟まず落ちサビに行く展開が間伸びせずいい。
天峰秀(伊瀬結陸)「GO NEXT」
2番でリズムパターンが縦横無尽に自由になる、遊び心を見せる展開は耳が楽しい。伊瀬結陸さんの声すごく好きなのですが、「ちょっと舌足らず」と言われていてすべてに納得しました……(マルクスさんの声もちょっと舌足らずなので)。
「TVアニメ『ワッチャプリマジ!』キャラクターソングミニアルバム PUMPING WACCHA! 03」
ネ申。プリマジの曲たちはことに気合が入っていると感じていたのですが、今回のアルバムはもう真骨頂というか、ポップソングとして完全すぎて……!
ポエトリー部分の緊張感から割れるようなギターがバリバリ鳴って、冒頭30秒で一気に世界に引き込まれます。あうるは中学生にしてプリマジ実行委員を構成するオメガ・コーポレーションの研究開発部門責任者、データから導き出したプリマジをするという天才キャラで、そのキャラクターのメカ・デジタル的なイメージが音にも表れている。その中に引き延ばされたピアノや水の音の響きがふっと挿入されることで、雫が滴って滲むような、まだ完成されないままどこかに違和感が残るような雰囲気が馨っています。
あうる役の藤寺美徳さんはプリティーシリーズ10周年記念の「NEXT声優アーティストオーディション」グランプリを受賞された15歳(!)の方です。静かで若くてどこまでも伸びていくような歌声の訴求力がすごい。筐体であうるちゃんの曲をプレイする時、毎回鳥肌が立ってうるうるしてしまう……(不審者プリマジおじさん)。
サムネのひゅーいと橙真にワチャワチャしすぎて純粋に曲に言及できるか不安になってしまいました。というかKING OF PRISMは見てたけどその後のプリティーシリーズは追ってないんだよね、というみなさまはぜひライブ映像だけでいいのでご覧になってみてください。カヅキ先輩!?ってなるので……。
最初上半期振り返り記事にワッチャプリマジ!16話『橙真のマジ、ひゅーいのマジ』を入れていて、「誰も女児アニメの男子キャラに真剣なオタクなんて見たくないだろ……」になってしまったのですが、RGRちゃんの解散発表を受けてやっぱりインターネット辺境ブログでくらい女児アニメに真剣になってもいいと間接的に思ったので、まずはこの曲に至るまでの劇中の動きを個人的解釈とともに話します。
飴作りの修行に励む橙真の元へ、突然ひゅーいがやってくる。ひゅーいは「願いをかなえてあげる」と言い放つと、”まつりに会いたい”という橙真の無意識の願いに応え、魔法界へと向かう。
しかし、その様子を伺っていた怪しい魔女が、ひゅーいが目を離した一瞬の隙をついて、橙真を誘拐してしまうのだった。
その頃合宿所では、不穏な動きをいち早く察知したフェニックスが、橙真の危機をまつり達に伝える。
すぐに魔法界へ向かい、全員で橙真を捜索していると、ひゅーいとみゃむが魔女の住処を発見する。はたして、橙真を無事助け出すことが出来るのか!?
本来人外は人間のエネルギーを利用しているだけなのに、なぜ手を取り合う必要があるのか?という永遠のテーマを問う回。捕らわれた橙真を傷つけられたと思い込んだひゅーいが怒りのあまり我を忘れて魔法を解放したり、本来の狼の姿を「見られたくない」と獣性を恥じるなど、人外と人間の関係のウルトラCをめちゃめちゃ叩き出しています。坪田文先生の、道徳とちょっとドキドキする要素を織り交ぜたストーリー流石すぎます!大好き!
それからひゅーいがみゃむ曰く「友達がいないから橙真にべったり」になったり(萌え)して関係を深めていき、初のデュオプリマジで披露した楽曲が「Don't be Afraid」です。
言葉で語るところにたどりつけないくらいかっこいい音!リズムを取る梶原岳人さんの息遣い、田丸篤志さんの石田彰さんふうな声が大人っぽくていい。
タイトルの「Don't be Afraid」はちょっとお兄さん的な目線で続くまつりたちに言っているようでもあるし、ステージ前のふたりのやり取り、
「なんで来たの?」
「俺もプリマジが好きだ。それに……」
(橙真、ひゅーいの手を取る)
(ひゅーい、苦笑して)「……かっこ悪いよね。手が震えてる」
「ひとりじゃない」
萌えいつも飄々としているひゅーいも緊張して怖気づいてしまっていて、そんな彼を言葉少なながら支える橙真というふたりの関係性が表れているようにも感じる。さらには、新たな挑戦に向かうすべての人へのメッセージでもあります。
隠してた気持ちを曝け出して
Don't be afraid… Don't be afraid…
怖がらないから
正解なら気にしなくていいよ
好きなものだけ探してこう無くしてた未来を探し出して
Don't be afraid…
失わないから
絶対とは言いきらないでいいよ
誇れるものが見つかるさ
サビの歌詞は、プリマジという作品、プリティーシリーズという作品がずっと伝えてきてくれたメッセージを内包するものになっています。わたしは「自分の『好き』を諦めない気持ち」、「自分の『好き』で自己表現すること・してもいいこと、それが自分らしさ」ということをプリティーシリーズ(ことにプリパラ)から学んだので、この歌詞を男子ふたりがかっこよくキメていることにすごくぐっときてしまいます。
そんな感じでシリーズを超えて「『好き』と『自分らしさ』とは」みたいなところに思いを馳せ始めた頃に次の曲が「ありのままでいようって思えた、手を繋げた時から」から始まるアルバムの構成、本当に泣いてしまうんだが!?
ちょうどこのステージ映像のように、きらきらとしたものが降りそそぐようなサウンドがとても綺麗です。歌声を装飾するようにシンセがメロディを追いかける。間奏でリバーブ・サックスが入ってきて、ギターのカッティングが静かに主張していることに気づかされます。たびたび入る「Tonight」は1音ずつ下がるのが全体のドリーミンで優しい雰囲気に繋がっている。
マスコットポジションの3人が歌っているので声の癖が強くて、Future Bassサウンドとの化学反応が面白い。タイトルや押韻するコーラスから感じられるヒップホップのエッセンスは前クールED「Magical Future」に通ずるところがあります。とにかくこの曲はベースがかっこいい……!
総じてキャラクターソングとして意味を強く持つコンセプチュアルな一面と、普遍的なポップさを持ついい曲ばかりのアルバムで最高でした!
Kabanagu「ほぼゆめ」
エッジィなエレクトロ・サウンドを日常に溶け込ませて、あるいは日常に昇華させた不思議で新しく心地いいアルバム。
7月によく聴いた音楽でした。
第四の道、楽しかった……。