この記事は Otaku Social(おたそ~)Advent Calendar 2023 22日目の記事です。
はじめに
『アイドルマスターSideM』(以下、SideM)とは、2014年にモバゲーで開始した、アイドル事務所「315プロダクション」を舞台にしたソーシャルゲーム(現在はサービス終了)をはじめとするメディアミックスコンテンツです。「GROWING SIGN@L」(GS)は、2021年から発売しているSideMのCDシリーズで、同じく2021年からサービス開始したソーシャルゲーム『アイドルマスターSideM GROWING STARS』(通称サイスタ)と合わせて展開されていたものです。
残念ながらサイスタはサービス終了してしまっていますし、GSシリーズはSideMの最新楽曲というわけでもありません。今このCDシリーズを紹介する理由はわたしのごく個人的な体験に基づいています。
わたしはモバゲー版SideMサービス開始時から作品のファンなのですが、GSシリーズおよびサイスタから追加されたグループC.FIRSTの曲を初めて聴いた時から、もう一度SideMのファン人生が始まったと思っています。そのくらいわたしにとってGSシリーズは巨大な出来事でした。
『BRUTUS』アイマス特集(No. 933)のBase Ball Bear小出祐介さんのコメントの引用なのですが、SideMの今までの楽曲って“「餃子のあとの水めっちゃ美味い!」”の感覚があるなと思っていて、たとえば三次元の男性アイドルの音楽からの影響というよりも、個性豊かなキャラクターがそのまま楽曲のキャラクターになるような、いわゆるアニソン・キャラソンの文脈に乗っているものが多いと思っていました。しかし、ユニットとしてGSシリーズの先陣を切ったC.FIRSTの同時代性と「内向的な踊り」の感覚のぶっ刺さりや、続く他ユニットがアニソンにとどまらないジャンルへ接続されうる音楽性を持った楽曲を出してきたことが、とにかく革新的に感じてすごいのです!
前置きが長くなってしまいましたが、そんなGSシリーズを音楽的語りとオタク的語りの両方からみていきながら、SideMを知るきっかけになったら嬉しいという記事です!なお、本エントリ内に登場する楽曲は2023年12月時点ですべてサブスク配信されています。CDには+キャラクターのボイスドラマが収録されているので、この曲を歌っているアイドルのことをもっと知りたい!と思ったらぜひCDもチェックしてみてください!
- はじめに
- 315 ALLSTARS - GROWING SIGN@L 01 Growing Smiles!
- C.FIRST - GROWING SIGN@L 02 C.FIRST
- FRAME - GROWING SIGN@L 03 FRAME
- Café Parade - GROWING SIGN@L 04
- Legenders - GROWING SIGN@L 05 Legenders
- 彩 - GROWING SIGN@L 06 彩
- もふもふえん - GROWING SIGN@L 07 もふもふえん
- Altessimo - GROWING SIGN@L 08 Altessimo
- THE 虎牙道 - GROWING SIGN@L 09 THE 虎牙道
- F-LAGS - GROWING SIGN@L 10 F-LAGS
- 神速一魂 - GROWING SIGN@L 11 神速一魂
- Jupiter - GROWING SIGN@L 12 Jupiter
- S.E.M - GROWING SIGN@L 13 S.E.M
- DRAMATIC STARS - GROWING SIGN@L 14 DRAMATIC STARS
- GROWING SIGN@L 15 Take a StuMp!
- W - GROWING SIGN@L 16 W
- Beit - GROWING SIGN@L 17 Beit
- High×Joker - GROWING SIGN@L 18 High×Joker
- おわりに
315 ALLSTARS - GROWING SIGN@L 01 Growing Smiles!
Growing Smiles!
作詞:松井洋平、作曲・編曲:光増ハジメ
DRIVE A LIVE
作詞・作曲:BNSI(柿埜嘉奈子)、編曲:滝澤俊輔[TRYTONELABO]
Beyond The Dream
作詞:BNSI(柿埜 嘉奈子)、作曲・編曲:EFFY
NEXT STAGE!
作詞:柿埜嘉奈子、作曲・編曲:EFFY
SideMの315プロに所属するアイドル全員が歌唱するいわゆる「全体曲」が収録されています。「Growing Smiles!」は新曲で、残り3曲は既発表曲に前述の追加アイドル・C.FIRSTのボーカルが加わったもの。先ほどSideMの音楽にある“「餃子のあとの水めっちゃ美味い!」”の感覚を若干ポジティブっぽくない感じで引用してしまいましたが、すごくよい誉め言葉だと思っています。
文中で理由理由いうとりますが、SideMのキャッチコピーはずばり「医者!フリーター!自衛官!理由(ワケ)あって、アイドル!」というもので、何らかの職業や社会的な立場にあったキャラクターがアイドルを目指す、という作品。すべてが後ろ向きな理由じゃなくても一度得たものや夢を手放したり、諦めたりした人たちの物語で、その少なからずdepressiveなところからのスタートが好きです。その世界観が、全体曲の歌詞にはめいっぱい表現されています。
楽曲キーワード:主題歌、大人数、(Re)スタート、ワクワクした気持ち
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C.FIRST - GROWING SIGN@L 02 C.FIRST
歌:C.FIRST/天峰秀(CV.伊瀬結陸)、花園百々人(CV.宮﨑雅也)眉見鋭心(CV.大塚剛央)
We're the one
作詞:Kanata Okajima、作曲:本多友紀(Arte Refact)、編曲:河合泰志(Arte Refact)
Not Alone
作詞:Kanata Okajima、作曲:本多友紀(Arte Refact)、編曲:河合泰志(Arte Refact)
C.FIRST(クラスファースト)は、メンバーの全員が有名な生徒会長という設定で、そのホープ感、SideMには実はあまりいなかった男子高校生ユニットという要素がフレッシュなEDM風味の音楽性によく表れています。パンデミックやステイホームの概念によって、2020年以降、孤独や現在の先の見えなさというものがわたしたちの生活にいっそう深く根を下ろしましたが、その内向的な同時代性が前提としてありながら、未来や未知へ進むさまが歌詞に強く表現されています。
例えば「We're the one」は1番Aメロから強烈です。
雁字搦めの世界の中で
自分の声を聞いたのは、いつだろう?
「代弁者としてのアイドル」という点は、今までのSideMが示してきたアイドル像に重なる部分と新たなレイヤーをどちらも感じます。
Ah もし叶うなら
温かな あなたの頬に触れたい
勇気を分かち合おう
弱さの中の強さというバランスの繊細さは、「Not Alone」により強く表現されています。感傷的なメロを打ち砕くような12/8拍子のビートのイントロからそうだし、「わかんない」「かも」のような、言い切れない口語的な言葉選びもそう。
Give it a shot 今なら
踏み出せるから
Give it a try 迷わない
もう嘘はつかない
踏み出せない時もあるから、「今なら踏み出せる」。嘘をついた時もあるから、「もう嘘はつかない」。そんなふうに感じます。
楽曲キーワード:優等生、EDM、等身大の弱さ
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FRAME - GROWING SIGN@L 03 FRAME
歌:FRAME/握野英雄(CV.熊谷健太郎)、木村龍(CV.濱 健人)、信玄誠司(CV.増元拓也)
Plus 1 Good Day!
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:アッシュ井上(Dream Monster)
SOOTHING PLACE
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:h-wonder
FRAME(フレーム)は、メンバーの前職が消防士・警察官・自衛官で、楽曲にも「生活」や「誰かを助ける、支える、寄り添う」という要素がよく表れています。
GS03の2曲はずばり朝と夜がテーマで、「Plus 1 Good Day!」のポジティブでさわやかな曲調と、朝のイメージの中に確かにある不安感さえも肯定してくれる歌詞に、普遍的な共感よりもっとパーソナルな気持ちで背中を押される気持ちになります。
小さな後押しだけど聞こえるか?
Hey you (Hey you)
大丈夫
「大丈夫」という言葉からは、「大丈夫じゃない状態」への想像力も感じて心のやわらかいところに触れられた感覚になります。
1日の終わりをテーマにした「SOOTHING PLACE」は、ジャスコテック的な音と「ありふれた、なんの変哲もない日」を歌うボーカルが優しいです。特別じゃない1日だってかけがえないものだということを伝える、「ハレ」の日じゃない日々とともにある曲。この曲があるから、そんな日も大切だと思えます。
楽曲キーワード:生活、ポップス、癒し
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Café Parade - GROWING SIGN@L 04
歌:Café Parade/神谷幸広(CV.狩野翔)東雲荘一郎(CV.天﨑滉平)アスラン=ベルゼビュートⅡ世(CV.古川慎)、卯月巻緒(CV.児玉卓也)、水嶋咲(CV.小林大紀)
Pavé Étoiles
作詞:松井洋平、作曲:丸山真由子、 編曲:清水武仁
Teatime Cliché
作詞:松井洋平、作曲:丸山真由子、 編曲:TOMISIRO
Café Parade(カフェパレード)は、同じカフェに勤めていた5人(+マスコットキャラ1人)がメンバーで、「おもてなし」の精神が表れた歌詞と、ビッグバンドを思わせるような曲調が特徴的です。
冒頭で、“アニソンにとどまらないジャンルへ接続されうる音楽性を持った楽曲”があると述べましたが、真っ先に挙げたいのはこのGS04です。音楽グループ・HΛLの元メンバーたちが作・編曲を手がけている聴き応えのあるゴージャスなサウンドは、5人の甘くてやわらかく伸びのいい声、さながら声楽家のようにテクニカルでハイカロリーな声、オクターブを行き来して跳ねまくる声といったカオスなハーモニーに負けず、互いに高め合っています。「Pavé Étoiles」は、一人ひとりがときめきを感じる心を恐れないために、背中を後押ししてくれる歌詞です。メッセージはミュージカルソングのように胸に残ります。
そして「Teatime Cliché」は渋谷系~Brazilian Drum & Bassな曲調で、キャラクターソングから音楽ジャンルへアクセスするような楽曲がもはや事件です。この曲と渋谷系という音楽ジャンルの関係については以前記事にしたので、よければご覧ください。
クリシェ=常套句と店員のかけ声(「ごゆっくりと」etc.)を重ね、日常の中にあるカフェの風景を特別なものにしたい、ありきたりなものを大切にしたいという小さな幸せを願う思いを歌っています。この店員としての表情=よそ行き感のようなものが、渋谷系の雰囲気とマッチしていてすごくおしゃれです。
FRAMEと同様に、「ハレ」の日も「ケ」の日もともにある、日々を大切にする曲たちです。
楽曲キーワード:ゴージャス、個性派、渋谷系
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Legenders - GROWING SIGN@L 05 Legenders
歌:Legenders/葛之葉雨彦(CV.笠間淳)、北村想楽(CV.汐谷文康)、古論クリス(CV.駒田航)
Time Before Time
作詞:松井洋平、作曲・編曲:玉木千尋
PERMAFROST
作詞:松井洋平、作曲:水永ここ、編曲:安岡洋一郎
Legenders(レジェンダーズ)は、ゲーム内のオーディション企画で選出された偉人をモチーフにした3人によるユニットで、「時間」や「歴史」という要素が表れているのが特徴です。歌詞はもとより曲調も「時代」からの連想なのか、GS05では平成っぽさが全開のサウンド。加えて歌詞がラブソングなので、最強です。
やや脱線しますが、わたしは「Time Before Time」からは宇多田ヒカルの「Celebrate」的な雰囲気を感じます。
とにかくエレクトロポップ+冬+ラブソングというのが2000年代J-POPをイメージさせます。歌詞は、普遍的なラブソングでありながら、Legendersのテーマである「時間」もカバーしていて、このユニットが歌う意味とポップソングを歌うアイドルとしてのパブリックな一面を見る感覚のどちらも感じることができます。
いつかこの時計が
秒針さえも重なっていくまで
1人でいると映らなかった景色が
2人の意味を変えてしまうね
恋人同士の距離感を歌いながらも、特別さを噛み締めたり、当たり前の幸せにまだ惑ったりするような、大人びたニュアンスが表現された歌詞がかっこいいです。
「PERMAFROST」は、吐いた息が白くなるような冷たい空気のように鋭いストリングスが印象的で、降る雪のようにサビに向けて音が重なり、ちょっとレトロで特徴的なリフに繋がります。1 番と2 番でそれぞれ雪の結晶を歯車に例える描写が登場しますが、Legendersのスチームパンク的なモチーフと、雪が降ってくるに至るまでの時間のイメージがあってとても隙がない喩えだと思います。
楽曲キーワード:平成J-POP、大人の関係、ラブソング
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彩 - GROWING SIGN@L 06 彩
歌:彩/猫柳キリオ(CV.山下大輝)、華村翔真(CV.バレッタ裕)、清澄九郎(CV.中田祐矢)
いとをかし!〜一彩×合彩〜
作詞:松井洋平、作曲・編曲:流歌
彩リノ歌
作詞:松井洋平、作曲・編曲:関口昌大
彩(さい)は、日本の伝統文化を生業としてきたメンバーによる、いにしえから続く人間の変わらない心や現代からみる古典のおもしろさを和楽器の要素がミックスされた楽曲に乗せて歌うユニットです。
コール&レスポンスや台詞が賑やかな「いとをかし!〜一彩×合彩〜」は、彩のハッピーな一面が全開です。“ときめく心や「好き」の気持ちで人と人は繋がり合えることは、いつの時代だって最高!”というメッセージは、個人的にもすごく共感するものなので胸にくるものがあります。
祭囃子が胸に響くほどに
贈りたい言葉は『最高!〜いとをかし〜』
ギターサウンドやシンセベースが印象的ですが、さりげなく三味線の音が散りばめられています。
和ロックサウンドの「彩リノ歌」は、3人の自らのアイドル人生への意志を歌った曲です。
積み重なった伝統って価値観は
未来を縛るものじゃない
元々、落語家・歌舞伎役者・茶道家という日本の伝統文化を生業としていた3人がアイドルになったということは、ある意味ではその道を途絶えさせたというようにも捉えられるのですが、そうではないし、アイドル活動の先にはそれがある、という思いを力強く伝えています。
胸の芯にある糸と 違えるお互いの色を
織り上げて伝統は生まれる
お祭りソング的な一面を見せていた「いとをかし!〜一彩×合彩〜」から翻って、クールさと真剣な熱がめらめらと伝わってきます。
楽曲キーワード:和楽器、コール&レスポンス、ギャップ
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もふもふえん - GROWING SIGN@L 07 もふもふえん
歌:もふもふえん/岡村直央(CV.矢野奨吾)、橘志狼(CV.古畑恵介)、姫野かのん(CV.村瀬歩)
はるかぜバトン
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:アオワイファイ
そだてっ!たいむかぷせる
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:ヒゲドライバー
もふもふえんは、315プロに所属する以前から芸能活動をしていた小学生3人によるユニットです。例えば他のアイドルものキャラクターコンテンツでは、ここまで年齢が低いキャラクターはなかなかいないので面食らうかもしれませんが、幼さと芸能活動経験のギャップや、その大人と子どもの絶妙なバランスを含ませながら小学生を演じる声優さん(もちろん、成人済み!)のテクニック、まっすぐ伝えられるからこそもう子どもの年齢ではなくなった人々にも刺さる台詞や歌詞……という、魅力がいっぱいです。
GS07は、どちらも卒業がテーマに感じられる曲です。きらきらしたピアノのグリッサンドから始まる「はるかぜバトン」は、ドキドキとワクワクと不安を持って出発するあなたの背中を3人が押してくれる曲です。
「そだてっ!たいむかぷせる」はチップチューンサウンドが散りばめられ、おもちゃ箱をひっくり返したよう(使い古されすぎていますが……)にはちゃめちゃなサウンドで、展開が目まぐるしいです。
たくさん今日をとびこえて まぶしいくらいとびこんで
だいたんにちゃれんじ げっとで、もふもふっ!
めもり~ カンに詰め込んで いつかキミと手にとろう
おーけい? おーらいっ!
ねっ やくそく
未来へのワクワクを歌った歌詞は、1番も2番もサビが「いつかキミと○○しよう」というものになっていて、その「約束」に「キミ」との別れがしのばされています。
前述したことの繰り返しになりますが、メッセージが素直だからこそ「大人になって道徳を説いてくれる人なんていないから子供向けアニメは大人に刺さる」的な感じになっており、胸にくるものがあります。
楽曲キーワード:卒業、ピコピコ系、素直さ
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Altessimo - GROWING SIGN@L 08 Altessimo
歌:Altessimo/都築圭(CV.土岐隼一)、神楽麗(CV.永野由祐)
Infinite Octave!
作詞:真崎エリカ、作曲:小高光太郎・UiNA、編曲:小高光太郎・矢野達也
Sign of Hope
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:矢野達也
Altessimo(アルテッシモ)は、元音楽家の2人によるユニットで、オーケストラ調の楽曲と高い歌唱力が特徴的です。メンバーそれぞれのモチーフであるピアノとヴァイオリンが楽曲内でフィーチャーされていることにも注目です。
「Infinite Octave!」は変拍子が特徴的で、ピアノとヴァイオリンによる密やかな二重奏から一気に世界が広がるようにコーラスが重なるイントロだけでAltessimoの世界観に引き込まれます。イメージされるのは、まばゆいスポットライトに照らされて、顎を上げて背筋を伸ばしてホールを見据えているようなステージ上の景色。
そう、だから(大丈夫)
ここから(遥かへ)
踏み出そう(未来へ)
パートの途中から長調へ転調するのがすごく好きです。
音楽用語が歌詞に散りばめられています。
- 8度
1オクターブのことで、まさにタイトルの象徴です。
- ペダル
ピアノには3本のペダルが付いていて、踏むことで音色を操作できます。まず、「踏む・踏み込む」という動作そのものから感じられる勢いのようなものがあります。次に、踏むとピアノ弦を押さえているダンパーという部品の動きを止め(ピアノ弦が解放され)、音が長く伸びる効果をもたらすダンパーペダルというものがあり、この音を長く持続させる・増幅させるといった意味もかけているのではないかと感じます。
- テヌート
テヌートtenutoは、「音符の長さを十分に保って演奏する」という意味。
- モノフォニー
- ポリフォニー
モノフォニーmonophonyは、1つの旋律から成る音楽、ポリフォニーpolyphonyは複数のパートから成る音楽のこと。まさに2人がアイドルとして出会って新たな音楽が生まれていくさまです。
「Sign of Hope」は幻想的な曲です。タイトルを回収しているサビのフレーズは、6/8拍子のリズムによって造語的な響きに聞こえ、より深くに誘われるようです。ちょっと志方あきこ的なフォークロア・同人音楽っぽい雰囲気もあります。
この曲はとにかく歌詞に気迫があると思っていて、
不完全な言葉が空気に変わり 肺から漏れる僕らは
そんな絶望を撫でてくみたいに 旋律を紡いでた
祈りに似た脆弱な音色は
一瞬で晴れは呼べない
すごすぎ。
楽曲キーワード:オーケストラ、heavenly、幻想性
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THE 虎牙道 - GROWING SIGN@L 09 THE 虎牙道
歌:THE 虎牙道/大河タケル(CV.寺島惇太)、円城寺道流(CV.濱野大輝)、牙崎漣(CV.小松昌平)
K.now O.nly
作詞:結城アイラ、作曲・編曲:本多友紀(Arte Refact)
CATCH ME IF YOU CAN
作詞:結城アイラ、作曲:本多友紀(Arte Refact)、編曲:河合泰志(Arte Refact)
THE 虎牙道(ザ こがどう)は、格闘技に縁を持つパワフルな3人によるユニットです。THE 虎舞竜ではない。シンセパンクやEBMのインダストリアルなエッセンスを感じつつ、キャラクターらしさが全開のボーカルと合わさっていい意味でとってもアニソン・ゲームミュージックらしいアツい曲調をしています。
「K.now O.nly」は、終始煽られるようなコーラスや落ちサビ前のカウントに血が沸き肉踊る、な感覚がかきたてられます。まさに闘志。「コーラス部分がゲームのコマンドっぽくなっている」という耳で聞いただけではわからないギミックが歌詞にあります。
「CATCH ME IF YOU CAN」はよりEDMっぽいギラギラしたハードな音が重ねられた曲。2番後の間奏の湿っぽいエレキギター、落ちサビで静かになる感じ……など、きちんと踏んでほしい段階を踏んでくれる感じがします。土埃が舞うようなラストの処理が好きです。
楽曲キーワード:ギラギラ、力強さ、ゲームミュージック
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F-LAGS - GROWING SIGN@L 10 F-LAGS
歌:F-LAGS/秋月涼(CV.三瓶由布子)、兜大吾(CV.浦尾岳大)、九十九一希(CV.比留間俊哉)
Made in「 ♪ 」
作詞:結城アイラ、作曲・編曲:アッシュ井上 (Dream Monster)
Casually!
作詞 結城アイラ、作曲・編曲 アッシュ井上 (Dream Monster)
F-LAGS(フラッグス)3人の共通点を挙げるなら、ディープな秘密と向き合ってアイドルになった、ということでしょうか。メンバーの秋月涼さんはSideMが初登場ではなく、アイドルマスターの他IPのゲームに先駆けて登場したアイドルでした。ざっくり言うと社長命令で女性としてアイドルデビューする男の娘……みたいな時代を感じるシナリオでしたが、そのエンディングのひとつ、「男性アイドルとしてアイドル再デビューする」の続き、というのがSideMでのストーリーです。男性として活動していきたい、とカミングアウトする秋月涼さんの姿を見て他のメンバーもアイドルを目指した、というものになっています。
そんなF-LAGSの音楽性は、テーマの旗やトリコロールから連想される船や海、旅がモチーフになっていたり、さわやかさやフレッシュという言葉がぴったりくるようなものが多いです。「Made in 「 ♪ 」」はやわらかなエレクトロニックで、生活の中にある「旅」を歌う、背筋をちょっと伸ばしてくれるような曲です。混声であることを感じさせない心地いい高さのメロディ。
翻って「Casually!」は、週末の解放感をブラスサウンドに乗せたノリノリな曲。こちらも小さな幸せと「自分らしくいること」を肯定するもので、個人的な感想ですが、F-LAGSはFRAMEと通じ合うような生活への寄り添いが感じられます。
楽曲キーワード:フレッシュ、混声、癒し
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神速一魂 - GROWING SIGN@L 11 神速一魂
歌:神速一魂/紅井朱雀(CV.益山武明)、黒野玄武(CV.深町寿成)
タソガレドキ、Bluesy
作詞 結城アイラ、作曲・編曲:増田武史
神速一魂(しんそくいっこん)はヤンキー高校生2人によるユニットです。ヤンキーと音楽といえば、気志團がヤンキー文化とパンクロックをルーツに「ヤンク・ロック」というジャンルを打ち出したことが連想される人もいると思いますが、まさに神速一魂は骨太なサウンドにヤンキー文化がミクスチャーされ、さらにアイドルという唯一無二の存在だと思います。
「ROUTE77」はツーリングとアイドル人生がかかった歌詞が秀逸。
登れ この先キツい坂 へばりそうでも
大事なモン守るためとツッパれ!
お前とならばてっぺんまで
このベタベタの歌詞を正面切って歌うボーカルが本当にかっこよくて、痺れます。さらにコール&レスポンス要素もあって、汗をかきながらオイオイ言いたい。
「タソガレドキ、Bluesy」は、一言で言うなら神速一魂が主人公のアニメのエンディング曲です(相対して「ROUTE77」がオープニング曲に感じる叙述トリック(誤用))。赤い日没をバイクで走ってきた道から眺めるようなイメージがすぐ浮かぶ、ずばりと言い当てられたみたいにアニメのエンディング曲みたいなセンチメンタルと安心感を感じる曲はすごい。また、SideMには他にも2人組のユニットはいますが、「相棒」という関係性では神速一魂がとにかく強く、いつも隣にある熱を感じさせる歌詞がアツいです。アイドルの場合、歌詞の二人称はファンやリスナーが代入可能なようにつくられていることが多いと思いますが、神速一魂はほぼお互いのことを歌っていると感じます。
楽曲キーワード:パンク、漢気、コール&レスポンス
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Jupiter - GROWING SIGN@L 12 Jupiter
歌:Jupiter/天ヶ瀬冬馬(CV.寺島拓篤)、御手洗翔太(CV.松岡禎丞)、伊集院北斗(CV.神原大地)
Inner Dignity
作詞:真崎エリカ、作曲:BNSI(濱本理央)、編曲:中土智博
Before long, DELIGHT
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:山口朗彦
Jupiter(ジュピター)もF-LAGSの秋月涼さん同様SideMが初登場ではなく、アイドルマスターの他IPのゲーム(秋月涼さんが登場するゲームとはまた別です)に先駆けてライバルとして登場したアイドルでした。ゲーム内で所属していた事務所は芸能界で生き残るために手段を選ばず、所属タレントを駒と考えるような社長が牛耳っていました。そんな事務所を離れて、315プロダクションで再デビューというのがSideMでのストーリーです。
さて、そんなJupiterは前述の他IPゲーム時代にCDを出しており(秋月涼さんも出していますが)、GS12はそのCDが下地になっていることを強く感じるサウンドメイクでした。「Inner Dignity」は、まさに「Alice or Guilty」を強く意識した曲で、台詞パートがあること、ギターが中心となった仄暗い雰囲気などが共通します(コンポーザーも共通しています)。しかし、前しか向けない感じが確かにあり、その胸のうちに突き動かされる疾走感に導かれるのは、ジャケット写真みたいな朝焼けの光です。
「Before long, DELIGHT」は、前述のCDに収録されている御手洗翔太さんのソロ曲「On Sunday」っぽさがあります。ちょっと昔っぽいというか、アイドルを二次元に落とし込もうとしているけど、最新にアップデートはされていない垢ぬけなさのあるような曲調が好きです。キラキラした音やストリングスやブラスやスクラッチ音があちこちで瞬いて、夢を見せてくれる王道アイドルっぽさ。
楽曲キーワード:ぎらつき、(Re)スタート、王道
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S.E.M - GROWING SIGN@L 13 S.E.M
歌:S.E.M/硲道夫(CV.伊東健人)、舞田類(CV.榎木淳弥)、山下次郎(CV.中島ヨシキ)
Multiple Entertainment Show!
作詞:松井洋平、作曲・編曲:桑原佑介
Dance in the school!
作詞:松井洋平、作曲・編曲:桑原佑介
S.E.M(セム)は、メンバー全員が同じ高校に勤めていた教師で、学ぶこと、その先に無限の未来や可能性があることをコミカルさも交えつつ表現するユニットです。
「Multiple Entertainment Show!」は、頭文字を取るとMES→SEMになるという遊び心が早速表れています。
常識を疑った人たちが 創ってきた
舞台でLet's Dance!
いい歌詞!!!先ほどもふもふえんについて、彼らの幼さからくる素直なメッセージが響くという話をしましたが、こちらは大人が頑張っていることからくるメッセージがぐっときます。ダブルミーニングが詰めこまれた歌詞と16ビート。
「Dance in the school!」はタイトルの通り、学びそのものというよりも学校にスポットが当てられた曲です。ちょっとダサさのあるようなリフと激しいビートと緩急のある展開が癖になります。
ちょっと脱線しますが、S.E.Mの「Study Equal Masic!」という過去の楽曲が最近TikTokでバズった(?)らしく(確認してみたのですが、ライブの無断転載映像がたくさん出てきてグエーとなったので初出が定かでない)、いわゆる「電波ソング」っぽいエッセンスが特徴でもあると思います。もう自分は聴きすぎていてわからないのですが、電波ソング的な中毒性を求めている方にぜひ聴いてほしいと思います。
楽曲キーワード:青春、中毒性、個性派
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DRAMATIC STARS - GROWING SIGN@L 14 DRAMATIC STARS
歌:DRAMATIC STARS/天道輝(CV.仲村宗悟)、桜庭薫(CV.内田雄馬)、柏木翼(CV.八代拓)
Change to Chance
作詞:松井洋平 作曲・編曲:南田健吾
Rainy Memories
作詞:松井洋平 作曲・編曲:成瀬裕介
DRAMATIC DTARS(ドラマチックスターズ)は、ゲームのチュートリアルで最初にこのユニットから1人のカードを選択できる、いわばポケモンの御三家的なユニットです。プレイヤーが最初に知るキャラクターということもあり、最年長が28歳、前職が医者のメンバーがいるなど、色々と既成概念を壊すような設定で、とてもSideMらしいです。
GS14は、彼らの雰囲気だけでない、確かな人生経験からくる大人っぽさをフィーチャーしたようなクールな2曲となっています。「Change to Chance」は、V6「TAKE ME HIGHER」っぽい(ていうか、もろリファレンスだと思う)平成っぽさが全開です。
失って 傷ついて だけどそれだけじゃないさ
手に入れて 抱きしめて もっと大切に思える
いつだって 誰だって どこだって いまだって
きっと未来ってドラマ変えていくんだから
手放さなければならなかったり、諦めざるを得なかったり、といったところからもう一度始める、というSideM全体のテーマを堂々と歌っている歌詞がかっこいいです。
「Rainy Memories」はウィスパーっぽいコーラスに切ない色気を感じる、ラブソングともとれるような歌詞の曲です。「Change to Chance」では「失っても、胸に残ったものが自分」と歌っていましたが、こちらは過ぎ去ったものへの感傷に思いを馳せています。近しいテーマをこんなにも表情を変えた曲にしてしまう制作陣と、DRAMATIC STARSの表現力に驚かされます。
楽曲キーワード:平成J-POP、(Re)スタート、王道
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GROWING SIGN@L 15 Take a StuMp!
歌:315 ALLSTARS
Take a StuMp!
作詞:松井洋平、作曲:志村真白 編曲:光増ハジメ
歌:315 STARS/天ヶ瀬冬馬(CV.寺島拓篤)、天道輝(CV.仲村宗悟)、天峰秀(CV.伊瀬結陸)
True Horizon
作詞:松井洋平、作曲・編曲:原田篤(Arte Refact)
DRIVE A LIVE
作詞・作曲:BNSI(柿埜嘉奈子)、編曲:滝澤俊輔[TRYTONELABO]
新全体曲と、サイスタの1章のストーリー完結に合わせた曲と、エイプリルフール企画で315プロの社長がアイドルデビューした際に披露された「DRIVE A LIVE」の立木文彦さんバージョンです。
新全体曲「Take a StuMp!」は、315プロのアイドルがユニットを他己紹介していく楽しい曲です。ユニット名のコール&レスポンスが楽しい!全体曲に共通している、アイドルを取り巻く人々への目線が確かに言葉にされています。
君が言ってくれたあの言葉
差し出してくれたその手が
今日という日を作ってくれたんだ
特にこの歌詞が好きで、アイドルからプロデューサー・ファンの目線でもあるし、315プロのアイドルの存在に助けられてきた現実にいるユーザーからアイドルへの目線でもあります。
「True Horizon」は、メッセージ性が今までの曲以上にものすごく強く、歌詞を見ているだけで胸がいっぱいになります。「まだ知らないこと」へ向かってチャレンジしていくことをわくわくするサウンドで描いていて、アイドルを応援することの原体験をもう一度感じるような曲です。
社長版「DRIVE A LIVE」はいわばネタではあるのですが、耳なじみのある曲が立木文彦さんの熱い・厚い歌唱でパワフルに、パッショナブルに歌われるのは元気が出ます。
楽曲キーワード:主題歌、大人数、ワクワクした気持ち、運命力
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W - GROWING SIGN@L 16 W
歌:W/蒼井悠介(CV.菊池勇成)、蒼井享介(CV.山谷祥生)
VIVA!!ファミリーリズム
作詞:結城アイラ、作曲・編曲:鈴木裕哉・藤原彩豊
Watchword
作詞: 結城アイラ、作曲:信政誠、編曲:河合英嗣
W(ダブル)は、元々サッカー選手として活躍していた双子によるユニットで、サッカーから連想されるダンサブルさ、電子音楽の要素を持つ楽曲が特徴的です。また、2人ユニットのうち双子という唯一無二の結びつきを歌うこともあります。
「VIVA!!ファミリーリズム」は、2人が体操のお兄さんのオファーを受けた時の曲という設定で、体操のリズムをとるコーラスがかわいいです。サッカーからの連想なのか、一緒に声を出して応援できるようなフレーズがたくさんあります。
「WatchWord」は、感傷的なメロディに乗せて2人の絆を明るく歌うボーカルに泣けてしまう曲。タイトルの和訳は「合言葉、スローガン」です。
そうさ キミと生まれた瞬間(とき)から
色鮮やかな虹が咲いた
双子という関係の相手をこんな言葉で表現するの、すごすぎる。
楽曲キーワード:コール&レスポンス、アップテンポ、電子音楽
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Beit - GROWING SIGN@L 17 Beit
歌:Beit/鷹城恭二(CV.梅原裕一郎)、ピエール(CV.堀江瞬)、渡辺みのり(CV.高塚智人)
Platinum MASK
作詞:真崎エリカ、作曲・編曲:桑原佑介
MIRROR of TRUTH
作詞:真崎エリカ、作曲:濱田幹浩、編曲:神谷礼
Beit(バイト)はその名の通りアルバイト仲間だった(職業はバラバラですが)3人によるユニットです。ユニットのモチーフは雪の結晶と王子で、楽曲もまさにアイドルといった王道な曲を連発しています。そしてまた、という感じですが、GS17はめちゃくちゃ平成アイドル感が強いです。今更だけどこのCDシリーズは平成ファン(?)の人におすすめかもしれない。
「Platinum MASK」は、氷の城がイメージされるような、凍てついてクール、ちょっとホラーっぽい(嵐の「Monster」的な)曲。ストーリー仕立て×「王」な感じの歌詞も、モーニング娘。「気まぐれプリンセス」くらいのポップソングの中の遊びという感じがする。メンバーの年齢差からくる声のバリエーションも豊かかつバランスがいいです。
そして「MIRROR of TRUTH」は、個人的にいい意味で問題作と思っているほど平成な曲。サウンドメイクが近いというより完全に雰囲気ですが「truth」「Believe」とかの嵐っぽさがあります。
Let me know 見せてくれ
運命を変えてくれ
今がすべて覆ってしまいそうな Truth
鏡はいらない 君と僕がいれば
頷いて消えた Phantom…
平成すぎるって!!!「Platinum MASK」もですが、「君」と「僕」の関係性が中間項を挟むことなく何かしらのストーリーに仕立て上げられている感じの歌詞が、とてもそれっぽいです。本人映像じゃないチープなカラオケ映像がイメージできるような感じ。そういうラインを声優が歌唱するキャラクターソングでなぞりなおすという試みは面白いと感じます。
楽曲キーワード:平成J-POP、王道、冬のイメージ
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High×Joker - GROWING SIGN@L 18 High×Joker
歌:High×Joker/秋山隼人(CV.千葉翔也)冬美旬(CV.永塚拓馬)、榊夏来(CV.渡辺紘)、若里春名(CV.白井悠介)伊瀬谷四季(CV.野上翔)
JOYFUL HEART MAKER
作詞:結城アイラ、作曲・編曲:神田ジョン
Toward Pole Star
作詞:結城アイラ、作曲・編曲:志村真白
High×Joker(ハイジョーカー)は、同じ高校の軽音部に所属するバンドによるアイドルです。実はSideMには高校生のみのユニットはあまりいなくて、特に高校生らしいフレッシュさや青春といったイメージはHigh×Jokerがわかりやすいです。
「JOYFUL HEART MAKER」はかなりアップテンポでエネルギッシュかつ、クールな印象もあるテクニカルな曲です。所々入るスラップベースやハモリがかっこいい。音楽に導かれて駆け出してしまうような勢いとスタイリッシュさどちらも備えていて、オープニング曲っぽいです。
走って、走って、燃え尽きていい
夢がオレたちを呼んでる限り
サイコーのサウンドを!
「Toward Pole Star」は、ピアノとクワイアっぽいコーラスがリードする、照れくさくなるくらいのさわやかな曲。ファルセットと丁寧な歌い方が綺麗です。このユニットもアイドルを始める前から関係があったメンバー同士なので、絆を歌う歌詞がハマりますし、胸が熱くなります。サビで入る管楽器の音も吹奏楽部っぽさがあり、ユースな雰囲気があります。
楽曲キーワード:青春、バンドサウンド、フレッシュ
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おわりに
ここまで20000字超かかっているようです。全部読んでくれたキミ、すごすぎるゼ!(ホビーアニメ)GROWING ST@RSという素晴らしいCDシリーズを通して、SideMの音楽、そしてアイドルマスターSideMを知っていただけたら嬉しいです。なによりここで紹介した以上にたくさんの楽曲がまだまだあります!
315プロがあなたの生活とともにありますように!