トロピカル墓場

好きなものは好きだからしょうがない!!

絶望、その先の……

絶望、その先の楽園

絶望、その先の楽園

  • 最高に幸せな私たちの世界。
  • J-Pop
  • ¥204

無職も2ヶ月目になるとそれなりにのんのんとした生活ではいられなくなって、今日はかなり志望度が高かった企業からお祈りメールが来たのでダークサイドに陥りそうになるのを堪えて爆音で音楽を聴きながら高島鈴『布団の中から蜂起せよ』を開いた。

そして私は、あなたにマジで死んでほしくないと思っている。
(「序章」高島鈴『布団の中から蜂起せよ――アナーカ・フェミニズムのための断章』人文書院、2022年)

聴いているのは最近ブックオフで購入した「ミラクル☆トレイン大江戸線へようこそ~」のキャラクターソングで、「線路は走るよ6の字に」という曲が各キャラクターによってアレンジされているものだった。こういう定型があるものを繰り返し身体に馴染ませていると落ち着いてくる。

線路は走るよ6の字に~大江戸線へようこそ・新宿ver.~

線路は走るよ6の字に~大江戸線へようこそ・新宿ver.~

  • provided courtesy of iTunes

これは新宿バージョン。なんかダフト・パンクみたいである。

これは月島バージョン。和楽器にベースミュージックがプラスされていてめちゃくちゃかっこいい。

『みんな水の中』での記述を思い出して、それもまた開いてみる。

それと矛盾するようだが、私は爆音によっても癒される。〔…〕爆音で音楽を聴き、自分の感覚を飽和させることで、地獄行きのタイムマシンを食いとめるのだ。
(横道誠『みんな水の中――「発達障害自助グループの文学研究者はどんな世界に住んでいるか』医学書院、2021年)

地獄行きのタイムマシンとはこの本の中ではフラッシュバックのことで、それはわたしにも心当たりのあるシチュエーションであるが、今のわたしにとっての地獄行きのタイムマシンは、希死念慮にまつわるもろもろだ。

最近は衝動的な、まさしく地獄行きのタイムマシン(わたしは下り道を進むトロッコがイメージされる)さながらの気持ちは少なくなっていて、静かな悲しみをもってもろもろの気持ちになることが多かった。けれど今は違う。

「爆音で自分の感覚を飽和させて、コントロール不可能な働きを曖昧にする」……大丈夫になるまで音楽を聴き続ける。

今は「冬の日のエトランゼ」を聴いている。

そういえば『みんな水の中』では、こんな記述もある。

地獄行きのタイムマシンは、私に関わらない、また陰惨すぎることがない、しばしばユーモアあるいは上質な雰囲気を感じられるトラウマ的表現に触れたときに、すぐれて発動しにくくなる。

横道はエドガー・アラン・ポー怪奇小説を引いて、トラウマ的な描写に心がすっと軽くなるという。

これはもしかすると、わたしが鬱状態にあった時に「sweet pool」をプレイして生理的嫌悪を感じる血や内臓にフィーチャーしたテキストに救われた気持ちと同じような働きなのではないかと思った。

大丈夫になってきたのでこの日記も終わります。