トロピカル墓場

好きなものは好きだからしょうがない!!

2月の音楽

 2月によく聴いた音楽です。

 

宇多田ヒカル「BADモード」


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 アルバムが発表された1月から聴いていました。抑圧された音が、グラデーションのように組み合わさり遷移していく構成が美しく、極まっています。溜息のような息づかい、普段づかいの幸せを感じる歌詞の世俗的なアンニュイさ。実はほぼ初めて宇多田ヒカルさんの曲を意識的に聴いており……、自分が音楽を好きになった分岐点にはJ-POPの範疇にあるものへの反骨心みたいな感情が含まれていた(と思う)ので、今、宇多田ヒカルを聴くことにハッとさせられ、内省しています。

 

KNOTS「薬草が生えてそうな山」

薬草が生えてそうな山

薬草が生えてそうな山

  • KNOTS
  • テクノ
  • ¥255

 「カシオトーンを使用すること」がテーマのコンピレーションアルバムで、パソコン音楽クラブの柴田さんなどが参加しています。なんとなくゲーム音楽っぽい感じが好き。ベースの音がかっこいいです。

 

upusen「Traffic Info (feat. PEYODA)」

Traffic Info (feat. PEYODA)

Traffic Info (feat. PEYODA)

  • upusen
  • ポップ
  • ¥255

 upusenさんのシンセウェイヴにビートとラップが乗った夜の高速道路曲。現実と現実逃避が遠いようで近い、付かず離れず、そんな感じのかっこいいラップがどこかノスタルジックなサウンドとともに夜の雰囲気を醸し出していてとても好きです。PEYODAさんによるリミックスも良かった。

 

DJ newtown「2005 (Telematic Visions Hi-speed Love Romance / Letter to the 05 remix)」

2005

2005

  • DJ newtown
  • エレクトロニック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 2006年生まれのテレマビさんが「2005」をリミックスする、エモいやつ……!アーメンブレイクが多用され、ハイスピードなラブコメ的展開。音楽以外の情景が見えてくるような音像はテレマビさんらしくて大好き。

 

ビャクヤ(広瀬裕也)「Looping」

Looping

Looping

 玉木千尋さん曲!かっこいい。ギターのアコースティックな音色とパーカッションが印象的な、切なくて少しだけラテン要素のある感じには、ちょっとジャニーズ的な印象を受けました(玉木千尋さんはなにわ男子の楽曲に参加していたり……)。ラテンの熱っぽさを備えつつ、ウィンドチャイムのLo-fi Hip Hopへの目配せを感じさせるような音と深く沈むような雰囲気は歌詞とのリンクを感じます。

 1番の「真夜中の鏡に映る自分が嫌い」「ひとりじゃ、上手く眠れないよ」(自己嫌悪と自己愛の不安定さ、ひとりを憂う)が、2番では「キミ」という存在が登場し、「馴染みの言葉で繋がろう」「ひとりで、悩むことはない」(弱さを曝け出して他者と繋がる)と変化します。しかしラスサビ前では、

月の光のなか
洗い流されてく
目を開けた時、君は居ない

とキミ(君)が不意に消え、ラスサビでは1番で登場した「畔で、膝を抱えたあの子」が「だれもが、出会う自分自身」であったと、自己と他者がタイトル通り曖昧にループするさまが概念的なストーリーをもって描写されています。

 広瀬裕也さんの歌唱がすばらしすぎることもあるのかもしれませんが、岩D歌詞超カッケェ……というフェーズになってきた。

 

STAND-ALONE「For What, For Whom」


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 原案が上松範康さん、RUCCAさん、Elements Gardenの共作によるメディアミックス・プロジェクト「テクノロイド」の曲です。ピアノが印象的な、しっとりとした雰囲気ながらサビはブレイク風でかっこいい。古川慎さん、梶原岳人さん、7ODERの萩谷慧悟さんの歌唱。萩谷慧悟さん、舞台で拝見したことしかなかったので歌声を初めて聴いたのですが、歌うま声優2人と変わらないパワーに圧倒されました。さすが……。作中でトップの実力を持つという設定のSTAND-ALONEの威風堂々とした佇まいが声から感じられます。

 

BEYOOOOONDS「英雄~笑って!ショパン先輩~」


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 クラシックをボヘミアン・ラプソディみたいなロック要素も取り入れつつアイドル・ポップにアレンジしているボリューム感。タイトルにもある「英雄ポロネーズ」だけでなくサビで「ノクターン第2番」のメロディが自然に入ってくるのがすごい。歌割りや台詞のバランスがちょうど良くて、ビヨの声の良さを再確認しました。MV感動しました(泣)

 

CYNHN「水の中の」

水の中の

水の中の

  • CYNHN
  • J-Pop
  • ¥255

 ex-the cabsの高橋國光さんが作詞・作曲。「Black Journey」や寺嶋由芙さんの「Last Cinderella」「Best Honey」のケンカイヨシさんが編曲しており、それらと同じ声ネタが使用されていたので笑顔になりました。

 全体を通してよく聴こえるストリングスが叙情的で、激しかったり時にポップであったり、さまざまな表情が水面の揺らぎのようにも感じます。展開が予想できない曲調ですが、特に雑踏のような話し声の環境音で終わるのがすごい。また最初から、何度も聴きたくなります。

 

サンドリオン「märch」

ゼロイチ

ゼロイチ

 めちゃめちゃいい……!以前も書いたのですが、声の表現・演技が音楽に乗せられているのがすごく好きなので、m-floのアルバムくらいinterludeがたくさん入っていて嬉しい。イヤホンズの「記憶」的な……。「ゼロイチまでフタリゴト」「ゼロイチ」の流れが本当に好きです。

 

 2月によく聴いた音楽でした。