トロピカル墓場

好きなものは好きだからしょうがない!!

好きなヒプノシスマイク楽曲10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選

 

 正直何のジャンルでも良いつもりだったのですが、わたしが興味を持つ「アニソン・キャラソン・声優ソングなどのオタク音楽×音楽的語り」にヒプノシスマイクは多大な影響を与えていると思うしわたし自身もかなり影響を受けたので、その感謝と思い出を書くことにする。

 拙いですが、どうぞ!

 

観音坂独歩(伊東健人)「チグリジア」

チグリジア

チグリジア

 わたしは日本語ラップに詳しくなく、知っているアーティストはあれどラップとはやはりどこか攻撃的でハードな部分を持ち合わせているものなのだろう、というイメージが先行してあった。(日本語ラップはそうじゃない人も内包しているけど、そことラップが接続しているものだと捉えられなかった)

 なので「チグリジア」の攻撃的でもファンキーでもない陰気で鬱々としたラップを聴いたときはこういうのもあるんだ!?と衝撃を受けました。ダウナーで後ろ向きな曲の世界に圧倒された。ヨレたビートと曲中に鳴るおりんみたいな音が不穏でかっこいい!ヒプマイを知ったのがちょうど「麻天狼-音韻臨床-」の発売時期で、出会ったばかりのわたしを導いてくれたという思い出も込めて……

 

有栖川帝統(野津山幸宏)「3$EVEN」

3$EVEN

3$EVEN

 ヒプマイの音楽に惹かれたきっかけが「チグリジア」ならキャラクターに惹かれたきっかけはこの曲でした。声が好きです!ラップ部分の声がまだ少し硬くて、でもその感じがすごくかっこよくてときめく。ブラスやスロットの音が印象的に鳴るサウンドは華やかではありつつもどこか霞がかかっているような、現実が遠くなったような雰囲気があり、そこに鋭さのあるラップが重なってかっこいいです。初期ソロ曲はキャラクターの職業(?)から連想されるイメージをそのまま描き出した音がかなり刺々しくていい。

 

ヒプノシスマイク Division All Stars「Hoodstar+」


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 Hoodstarのオタクです。
 ディビジョン全体曲の四方八方に好戦的なおもむきはそのままのゴキゲンなサウンドで笑顔になってしまう。元々シブヤパートの「Remix!」の声からシンセサイザーのまったりした音が耳に飛び込んできて一気にシブヤ色に染め上げられるのがあまりに気持ちよく好きだったので、「+」で4ディビより曲調がわかりやすく特徴的なナゴヤ・オオサカのパートが楽しすぎて最高です。それぞれのパートに入る際に飛び込んでくるような音がいい。ナゴヤの転調や、オオサカの台詞多めなのもらしくて好き。とにかくポジティブに血の気が多い感じが好きです。

 あとinvisible manners曲をどうしても入れたかった。やはり彼らの言葉がいつもヒプノシスマイクを先に進めてくれるから……

 

Buster Bros!!!「IKEBUKURO WEST GAME PARK(Boyz Sunshine Remix)」

IKEBUKURO WEST GAME PARK(Boyz Sunshine remix)

IKEBUKURO WEST GAME PARK(Boyz Sunshine remix)

 あ~~~~~~~~~(好き……)

 未成年の3人が青春を時に苦々しく等身大で生きることで逆にリアリティが失われていくというか、三次元から見ると脱臭されていく感じが好きなんですけど、リミックスによってその若さの神秘性みたいな魔法がかけられているようなところが好きです。三浦康嗣さんというクレジット的にもそうですが「New star」っぽいので……原曲ももちろん最高ですが、3人のソロ曲がサンプリングされて言葉や音に新しい関係が生まれて広がっていくのが面白い。

 

波羅夷空却(葉山翔太)「そうぎゃらんBAM」

そうぎゃらんBAM

そうぎゃらんBAM

 前述のとおり日本語ラップを聴いた経験は無に等しいのですが、そんな自分が唯一傾倒していたのがSOUL'd OUTでした。(ジョジョのオタクなので劇場版アニメの主題歌で知りました)Diggy-MO'のラップの、かなり特徴的なのに声がバックトラックと並列して音のひとつとして機能しているような独特の存在感のフロウに衝撃を受けたのですが、それを声優がなぞることでまた新たな表現が生まれていて面白い。

 Diggy-MO'っぽさとキャラクター性が見事に融合したサウンド、説法のごとく本質的なようで、それでいてはぐらかされながらキャラクターを描くリリック、葉山翔太くんのトゲトゲした声のバランスが良いです。

 

碧棺左馬刻(浅沼晋太郎)「Gangsta's Paradise」

Gangsta's Paradise

Gangsta's Paradise

 耳にしていて一番気分がいい音をしている……「いい夜の散歩」の音楽みたいな感じで好きです。「G anthem of Y-CITY」や全体曲で見せるマキシマリズム的なラップとは異なる表情の機微を、淡々と、それでいて繊細にうつす声の表現が素晴らしいと思う。曲が3分3秒で終わる名前とかけたギミックも好きです。

 

山田一郎(木村昴)、碧棺左馬刻(浅沼晋太郎)「Nausa de Zuiqu」


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 コミカライズのデュエットは愉快めですごく楽しい。イライラしたり勝ち誇ったり煽ったり、因縁のある2人の関係が声に乗っていて聴き応えがある。サウナ=フィンランド=で「ロイツマ」がバックトラックに使用されているのがコミカル。古き良きキャラソンって感じがしていいです!

 

Bad Ass Temple「開眼」


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 サイケデリックな音→空白→十四の台詞で一気に曲に引き寄せられる、引力を持っている曲。ラップなのか台詞なのか叫びなのかギリギリのボーカルが、キャラクターの存在、更に言えばヒプノシスマイクという世界そのものがバックグラウンドにあることで曲として意味を持ち成立できているようなところが好きです。世界に向かって叫びながら内省(内観)するようなさまはさながら修行で、激情と叙情を描くエモーショナルさは同じくあら恋×アフロによる「日々 feat.アフロ」に通ずるものがある。ナゴヤ3人の声や年齢のバランスが好きです。

 

R・O・N「Smooth Sailin'」

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(試聴可能な販売ページです)

 声優×ラップバトルというヒプノシスマイク最大の特徴であり特長であるキャラクターによるラップ曲を、しかもアニメ関連なら「Love Dimension」を差し置いてアニメのサントラを入選させるという波乱の展開ですみません。アニメのOSTの1曲です。これがかなりFuture Funkなサウンドで胸熱なので、Future Funkスキーとして入選させなければ……と思いました。OST、作品の世界観を象徴するようなものからLo-Fi気味なものまで洗練された多彩なサウンドが網羅されている。R・O・Nさんは音楽のトレンド的なものをアニメ関連の仕事にいち早く取り入れているイメージがあり目が離せません。

 

Fling Posse「Shibuya Marble Texture -PCCS-」


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 大好き!!!この曲があるからずっとシブヤが大好きです。曲を構成している音が全部良い。キャンディが転がるような夢心地の音のレイヤーから「シブヤ」の音景が展開されて、まさに心が染め抜かれていく。そこにあるインターネット的な質感というか、それはもちろんMaltine Records出身のAvecAvecさんというクレジット的にもそうなんですけど、なんか「水星」をずっと聴いて明けた午前4時みたいな……そういう雰囲気が心にフィットして泣きそうになります。

 その「泣きそうになる感じ」は歌詞に表現されたよろめくような不安定さによるところもあると思う。

シブヤ以外の他ディビジョンが友情や畏敬、あるいは共依存、利害の一致といったニュアンスを含む結束であるのに対し、Fling Posseはつるんでいること自体が不思議な3人ですよね。

 あの違和感ない自然なまとまりを僕なりに咀嚼した結果、3人ともが自身の置かれた世界に対して許容も悲嘆もなく「どうなってもいい」「取るに足らない」という冷ややかな視点を持っているのかなと。そういったどこかニヒリスティックな部分で同調している3人なので、色彩豊かで甘美なAvecAvecさんのトラックに、笑顔で崖に向かってスキップしているような空虚さを添えられていたら幸いです。

www.pashplus.jp

この弥之助さんの言葉が、ただただひたすらに、わたしの胸にあるシブヤの景色の道標です……

 

 以上です。特に「PCCS」は好きなところがキャラクターへの言及と切り離せない部分もあり、曲として言葉で語るのが大変だったのですがとにかくヒプノシスマイクの音楽が好きだ!という思いを込めました。音楽への思いを言葉で表現することはまだまだ自分にとって難しいと感じましたが、だからこそ言葉と音楽を操る彼らにいっそう惹かれるのかもしれません。

 これからもたくさんの音楽とともにヒプマイを応援させてください♡ピース!2ndバトルの結果がドキドキです……

 

番外編・どついたれ本舗「オオサカ24金マジック」/ヒプノシスマイク -D.R.B- Rule the Stage」より


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(1:46~)
 どうしても大好きなので言及したくなった!舞台版の楽曲です。ブルーノ・マーズの「24K Magic」パロディのディスコ風味+オオサカらしい和テイストに舞台俳優の声優演技が乗るド派手な曲です。3人の声のトーンのバランスが原作のそれっぽい。bling blingなネックレスというヒップホップファッションの象徴に典型的なオオサカのイメージを重ねているのが面白い。

 ヒプステ楽曲は原作の曲のフレーズが引用されていたり、声優の演技に寄せようとする俳優の声が時に限りなく近いものになっていたり面白いことがたくさんある。ヒプステに限らず近年は2.5次元舞台俳優と声優の仕事の境界が曖昧になってきていると感じますが、その中でもキャラクターを介在させるようなテイストと演技で構成されるヒプステ楽曲からは「音楽原作」を意識させられます。これからも注目していきたいです!