声優楽曲・アニソン・キャラソンなどのオタク音楽を音楽的な文脈で語ることへの興味がずっとあり、男性声優楽曲大賞はそのきっかけのひとつでもありました。声優楽曲ベスト記事はずっとROM専でしたが、2021年に自ジャンルであきらかに楽曲派的なアプローチが生まれて刺激を受けたこと、また2020年以降、自分の中にある同時代の「好き」をアーカイブしたいという思いが強くなったことから今回至りました。音楽に詳しくなく、かつ個人的第1回なので、2021年とにかく好きだった曲をテーマに好きを語りました。(何もかもにわかの文章です)
拙いですが、どうぞ!
- ルール
- 25位 ナルコレプシーNo.10
- 24位 Amazing Intelligence~クズは最高!!!!!!!!!!!!!♡♡△△~ Your AI ver.
- 23位 浅い夜に耽る。
- 22位 Reincarnation
- 21位 アイリス
- 20位 CHEERS
- 19位 Smile Again
- 18位 Sweet Lemonade
- 17位 Think About U
- 16位 開眼
- 15位 三人の話
- 14位 BOOKMARK
- 13位 Happy Night Show!
- 12位 「大丈夫だね。」
- 11位 Little Romance
- 10位 ドリームズ・アイ
- 9位 ムーンライトディスコ
- 8位 sweet sweet sweets(Re Arrange)
- 7位 初恋X
- 6位 Juliet(The Herb Shop Remix)
- 5位 YOUR FREEDOM
- 4位 Revealable
- 3位 螺旋のモーメント
- 2位 Sparkling Night
- 1位 Black Journey
ルール
・2020年12月~2021年11月に発表された男性声優の楽曲が対象
・1枚のアルバムから選べるのは1曲だけ
・ただし、これは!と思う1枚のみ2曲選んでもいい
25位 ナルコレプシーNo.10
歌:不破十紀人(鳥海浩輔)
作詞・作曲・編曲:Nem
変拍子に誘い込まれるようなイントロから始まる曲。少しレトロな夢幻の世界が広がります。歌詞に表現された破滅的な危うさのある恋とカジュアルな口調のバランスをうまく取る、雰囲気たっぷりなボーカルが好きです。
24位 Amazing Intelligence~クズは最高!!!!!!!!!!!!!♡♡△△~ Your AI ver.
歌:オムスビ(シャケ&ウメ)(山本和臣)
作詞・作曲・編曲:TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
安定のおそ松さん×テクノボーイズのディスコティックな曲。AIのイメージと重なるロボっぽいピコピコ、Bメロのブラスが好き。
23位 浅い夜に耽る。
歌:ヨシュア(島﨑信長)
作詞:Daisuke Iwasaki、作曲・編曲:R・O・N
いい感じのライトなR&B。声質もあいまってすごく耳なじみがいい。
22位 Reincarnation
歌:HOUND ROAR(HIBIKI)(豊永利行)
作詞:HIBIKI、作曲・編曲:TOYA
構成や音にジャズっぽい要素が織り交ぜられた曲。きちんと段階が踏まれて高まっていくのにエモーショナルになりすぎない印象があります。豊永さんのライブ感のある吐息多めの声もセクシーになりすぎないというか、クールで好きです。
21位 アイリス
作詞・作曲・編曲:滝沢章
シンセウェイブ的なサウンドに今をときめくこのお2人、というのは最もホットな曲だったと言ってもいいのではないでしょうか(適当言っています)。ボーカルもメロディもサウンドもピュアな感じが気持ちいいです。落ちサビに向かう解放感がいい。
20位 CHEERS
歌:入野自由
作詞:MATTON、作曲:TENDRE、編曲:TENDRE、TiMT
パーティーの後のような雰囲気は、ウィズコロナをストレートに歌った歌詞とともに少し懐かしい楽しさと切なさのあわいを感じさせます。メロとラップ箇所がシームレスで耳なじみがいい。
19位 Smile Again
作詞:辻村有記、作曲・編曲:辻村有記、伊藤 賢
左右で細切れに鳴る楽器がどんどん一体化していく、パレードのような曲。体験的な楽しさがある。最後まで飽きない。
18位 Sweet Lemonade
歌:西山宏太朗
作詞・作曲:岩越涼大、編曲:生田真心
高野寛提供「消せない写真」とかなり迷いました。西山さんの曲全部良すぎる!00年代シティポップ調+自由度の高い声の表現がとても好きです。
個人的に思う声優楽曲の魅力は、声優ならではの声の演技・表現を歌に還元しているところなので、2番の「シュワシュワ煌めく 超炭酸レモネード」の後の一息つく呼吸音が好きです。それで言うと台詞や台詞ですらない声がたくさん散りばめられた「Lovin' You」もすごく良くて迷ったのですが、少し苦い未練を空想的な言葉選びで綴る歌詞と西山さんのピュアな声の組み合わせが大好きで選びました。
17位 Think About U
歌:FYA'M'(小野友樹、豊永利行、浦田わたる、佐藤拓也、濱野大輝、仲村宗悟)
作詞・作曲・編曲:zakbee
ヒューマンビートボックスのヒップホップ的なリズムをベースにしたアカペラ、かっこいい!歌の中の声の演技・表現からさらに1歩踏み込んだアカペラの表現がカロリー過多にならずクールに聴けるのは、Perが鋭く全体をまとめているからなのかなと個人的に思いました。高音と低音のバランスも好き。
16位 開眼
歌:Bad Ass Temple(葉山翔太、榊原優希、竹内栄治)
作詞:アフロ、作曲・編曲:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)
声優の声の表現という視点ではこの曲が1番衝撃があったとても好きな曲です。ラップなのか台詞なのか叫びなのか、というぎりぎりの表現は、僧・バンドマン・弁護士という普段から声を武器として表に立つキャラクターの設定と、ラップの力で精神干渉して戦うヒプノシスマイクの世界観があるからこそ、とても大きな魅力とパワーを持つことになっていると思います。暗く鬱々とした情熱のエネルギー。
15位 三人の話
歌:亜月アキト(土田玲央)、yuzu(堀江瞬)、冥王院シン(土岐隼一)
作詞・Akito yuzu Shin、作曲:僻みひなた
さらに声優の声の表現ということで、ポエトリーリーディングの曲。男性声優×ポエトリーリーディング楽曲は、既存のものはアンニュイな雰囲気であることが多かった気がするので、フレッシュでアグレッシブなツーステップに乗せたこの曲がとても新鮮に感じた。
14位 BOOKMARK
歌:斉藤壮馬
作詞・作曲・編曲:斉藤壮馬、J
少しぼやけた記憶にピントを合わせようとするような曲。サビの「ターンテーブル乗っかって アウフヘーベンの果て」の言語感覚がすばらしく斉藤壮馬さんらしいと思います。声優らしさのある歌声・ラップの合間にJさんのラップが鋭く挿入される構成は、高揚感がいい感じにクールダウンされ、飲酒と深夜に熱っぽい身体で静かな外を散歩するようなイメージを想起します。
13位 Happy Night Show!
歌:ゆず(住谷哲栄)、スイートオリーブ(土岐隼一)、ミルラ(小松昌平)、ロータス(広瀬裕也)
作詞:矢野水音、作曲・編曲:増田太郎
バイオリンの力強いフレーズが印象的です。ボーカルが豪華なサウンドにまったく負けてなくて、ラストの「最後まで愛してね!」によって全体の印象を「かわいい」にしてしまうパワーと多幸感を持っている。勝手にクリスマスのような寒い時期を連想しました。
個人的にあまりイメージがなかったようなキャラを演じているのが聞けて楽しいです。舌足らずなミルラくんのソロパートでにやける。こういうちょっとロイヤルな感じの曲で聞く土岐さんの声の安心感がすごい。
12位 「大丈夫だね。」
歌:シエル(蒼井翔太)
作詞・作曲:あるるかん
エレクトロニックな音とアコースティックな音のバランスが心地いい。シンセサイザーのシークェンスが好きです。
11位 Little Romance
歌:Knights(土田 玲央、浅沼晋太郎、伊藤マサミ、山下大輝、北村諒)
あんさんぶるスターズ!!にアップデートされてから、それぞれゲーム内イベントで☆5のレアリティだったキャラクターがフィーチャーされた楽曲となっています。それまでKnightsの特徴としてあったエレクトロニックな雰囲気をベースにしたものとは異なる滋味あふれる曲調。
明るい日差しの中でまどろむようなアコースティックな雰囲気が、今回のセンターである凛月の声とお互いに良さを引き出し合っています。他のメンバーもファルセットや優しい声色の新たな表現が見える。
10位 ドリームズ・アイ
歌:タイガーズ・アイ(日野聡)、ホークス・アイ(豊永利行)、フィッシュ・アイ(蒼井翔太)
作詞:MARIE(東京ゲゲゲイ)、作曲・編曲:MIKEY(東京ゲゲゲイ)、安宅秀紀
東京ゲゲゲイが提供しておりかなり東京ゲゲゲイっぽいのですが、それが3人のキャラや悪役の属性にすごく合っていて、面白いキャラソンになっている。三者三様に色気たっぷりな歌声や語感優先の言葉が散りばめられたちょっとコミカルな歌詞が「キャラソン」で最高です。
9位 ムーンライトディスコ
歌:月都スペクタル(花江夏樹、中澤まさとも、前野智昭、西山宏太朗、北村諒)
赤羽橋ファンクをリファレンスにしていませんか!?笑って泣けるセンチメンタルな曲。それぞれのキャラクターの個性ゆえに異なるベクトルで演技のニュアンスを過剰に持たせた、声優!という感じの歌声が色とりどりで楽しい。
また、歌詞のテーマが「現代で女子高生をしていたかぐや姫が月に帰っていく時の視点」で、キャラクターがアイドルとしてさらにレイヤーを重ねた歌詞を歌っているのが面白いと思いました。
8位 sweet sweet sweets(Re Arrange)
作詞:中島ヨシキ、作曲:伊東健人、編曲:Command S.inc
渋谷系。まったりしたエレピとアコースティックなギターの音が、バレンタインソングのとろけるような甘いイメージとぴったりです。特に中島ヨシキさんの歌い方がとても曲にマッチしていて好き。
7位 初恋X
歌:碓氷真澄(白井悠介)
作詞・作曲・編曲:中山真斗
ニューエイジっぽい、もどかしいような不穏なようなオブスキュアな雰囲気が漂います。そこに白井さんの声が乗ると、一気にボーカルが曲のイニシアチブを握るようでとても面白いと思いました。「想いを隠して」など、よれたような歌い方をしている箇所が所々にあり、その陶酔的なニュアンスが曲を複雑にしていて好きです。
6位 Juliet(The Herb Shop Remix)
歌:[Anthos](濱野大輝、伊東健人、駒田航、土岐隼一、山下誠一郎、増田俊樹)
作詞・作曲:INN、編曲:fazerock、remix:The Herb Shop
ネットレーベルっぽい。ボーカルも聴いているこちらの意識も混沌と混ざり合うようなリミックスは、養分を吸って咲く華を連想させ、作品のイメージと重なって好きです。
5位 YOUR FREEDOM
作詞・作曲・編曲:はまたけし
ジュークをベースにしつつ、サビへの盛り上がりやメッセージ性の強い歌詞はわかりやすくて不思議な魅力があります。感情のほとばしりのような疾走感ある音に4人のエモーショナルな歌声が重なり、特に落ちサビではカタルシスのような解放感と、魂が浄化されるような神聖さすら感じる、とてもQUELLらしい楽曲です。
4位 Revealable
歌:竹下蒼天(永塚拓馬)
作詞、作曲、編曲:Nor
アウトロがとにかくめちゃくちゃ好き。
3位 螺旋のモーメント
歌:流石井隼人(古川慎)
作詞:児玉雨子、作曲・編曲:田熊知存(Dream Monster)
とにかく古川さんの歌がすばらしいー!ドラムンベースにジャズ風味のバックトラックは、ボーカルに負けない複雑さと美しい骨格が見えるような音です。お互いがお互いを高め合っていてずっとかっこいい。序盤中盤終盤隙がない。
2位 Sparkling Night
歌:饗庭紡麦(高橋英則)、伍代晃(三浦祥朗)、羽振寿里(小山剛志)、大崎新市(菅沼久義)
作詞・RT2、作曲・編曲・加部 輝
すばらしきムーディー・サウンド。全体的に派手で解放感があって楽しいけど、サビの「Hi!」で止めが入る、熱に浮かされたまま焦らされる感じがたまらないです。それぞれの声が複雑に入れ替わって重なる歌分けが好き。タイプの違ういい声ばかりで耳がめちゃくちゃ楽しい。
1位 Black Journey
歌:Fling Posse(白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏)
作詞:たなか、作曲:ケンカイヨシ・たなか、編曲:ケンカイヨシ
2021年一番好きになった曲はこれでした!
アンティークな雰囲気から、ゲーム音楽みたいな音とか2番で突然入ってくるサンバみたいな音とか、散らばった色々なものを集積して音楽がどんどんできていくようなライブ感がある。それは夜を往く列車のようです。
サビの帝統のメロが綺麗。幻太郎のパートが台詞っぽくはみ出てるのもらしくて好き。
コンテンツが時間を経てキャラクターやディビジョンの存在が際立ってきた今だからこそ、ヒプマイの「キャラクターっぽさ」「声優っぽさ」の表現の力強さを再確認しました。
常に問い続けて好きを最大化して選考理由を考えていくのはけっこう大変でしたが、自分の好みや重視するポイントがわかってきたような気がしておもしろかった。2022年はもっとたくさんの声優楽曲に自分なりに「好き」の地図を作ってアプローチしたいです!チェックできていない楽曲も多くあると思いますので、すみません……&これ!というものをぜひシェアしていただけたら嬉しいです!ありがとうございました(終)