という話を1人でMastodonでしていたので、自分用にまとめました。
そもそもこの話題に至ったのは某男性声優楽曲を聴いたからなのですが、
- キャラクター+ライブパフォーマンスの男性声優プロジェクトに有名アーティストが楽曲提供する
- プロジェクトは2021年発足、参加声優も今作がデビュー作
- 提供曲のボーカルの雰囲気があまりにもオリジナルアーティストに寄りすぎている
ということがあり、有名アーティスト×男性声優というシナジーを期待したものの個人的に声優が歌う意味や理由について考えてしまいイマイチハマらなかったのが始まりでした。
声優とキャラソンにまつわる特異性については下記エントリが詳しく、強く共感しています。
つまり自分が声優楽曲に興味があるのは「作品および本人のキャラクターが様々な活動分野に影響しあう声優というハイコンテクストな生き方が、音楽ではどう表現されるか」ということで、前述の曲がイマイチハマらなかったのはこのプロジェクトからはそういう雰囲気がしないと感じたからであると思います。
そして思い出したのは、西山宏太朗さんの「消せない写真」という曲でした。
作詞・作曲・編曲は高野寛さん。
西山宏太朗さんといえば、癒し系なお声のキャラクターがイメージされ、男性キャラ育成ゲームやギャグやおいアニメなど女性向け作品をメインに活動しておられますが、お芝居ユニット「大井町クリームソーダ」を立ち上げたり、藤井隆とネイルがお好きだったりとCulturalな方です。
そんな西山さんが文化系・シンガーソングライターな高野寛さんへハイパーリンク的に繋がっていったというのは本当にすごいと思うのです。
高野寛さんの歌詞はどこか諦観のようなものがあると思っていて、「消せない写真」はタイトル通り失恋の未練を歌いながらもこの曲の主人公は諦めて言葉を置いているように感じます。西山宏太朗さんの声がそのあきらめを歌うと、とてもピュアな言葉として胸を締めつけます。
その、重層的なコンテクストの中にあって生まれた作品でありながら、結果普遍的なポップ性とmutantなテイストを備えているというのがこのアルバムの1曲1曲にあって、ガチですごいと思うのです。
(今年の勝手に男性声優楽曲大賞は、そういう感じでこの1年間なんとなく輪郭を持った自分の興味の視点で選んでいきたいと思っています)
宣伝のようなオチになってしまいましたが、改めて西山宏太朗さんのアーティスト活動を評価したいと思いました。