トロピカル墓場

好きなものは好きだからしょうがない!!

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 移動時間にボイスドラマを聴くのってありかもしれないと思ってからずっとそうしている。今日までの3日間をかけて華Doll*の1stシーズンを聴き返していた。飽和状態のアイドル業界で発足した、人間のポテンシャルを最適化させるために身体に特殊な種子を埋め込む手術を施し、適合ののち"開花"することで完璧なアイドルになりえるという「華人形プロジェクト」に参加した6人のアイドル候補生が、1年以内の全員"開花"を条件としたデビューを目指して寮生活を送るストーリーである。

 わたしはこの作品を「アイドル・ディストピア」と思っている。ディストピアの辞書的な定義はこうらしい。

目に見えない独裁者の支配,怪物的な官僚制システム,性愛のコントロール*1

これらがディストピアを構成する要素のいくつかだとしたら、「アイドル・ディストピア」は既にわれわれが生きる現実に訪れている気がちょっとしてしまう。AIに管理された食事がタブレットだったりするのはいかにもそれらしいけど、華Doll*が「アイドル・ディストピア」であるのは要素ではなく世界を批判的に語っている点こそだと思う。1stシリーズの後半である4巻や5巻では、アイドル候補生たちが大切だと思うもののために事務所の指示に抵抗して行動を起こす規模が大きくなっていき、たとえ権威の下にある(アイドルになる)ことしかできなくても医療や科学では彼らはコントロールされないことが描写される。それは世界への批判である。

 そもそもの「華人形プロジェクト」の倫理問題を定期的に提起しながらも、1stシーズンは候補生全員が"開花"したシーンで終了する。6人がグループでデビューするにあたり突如1人の新メンバーが加入する、生々しい展開が2ndシーズンは待っている。

 元々楽曲からハマった作品でとても好きだけど、ドラマと連続して聴くと歌詞がすっと入ってきて違って聴こえる。いくつか好きな曲を挙げます。

Juliet (The Herb Shop Remix)

Juliet (The Herb Shop Remix)

The Days (The LASTTRAK Remix)

The Days (The LASTTRAK Remix)

ラストラさん!?となって嬉しかった。

太陽が眠ってる時間に

太陽が眠ってる時間に

「ぼくにだけ見える汗」という歌詞がとても好き。努力は自分にしか見えないのは切ないが、それでもそこから勇気をもらう。

Me Against Myself

Me Against Myself

アニメも楽しみにしている。多分MOVICドラマCD原作アニメで100%発生している円盤特典CDが発生しそうだけど頑張りましょう。